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3次元CAD/CAM ZW3D

ZW3Dによる多軸加工

FDK株式会社

研磨前(左)研磨後(右)形状の比較 その差は歴然イメージ

今回は、ZW3D CAMユーザーである FDK株式会社様の湖西工場(静岡県湖西市)パワーコンポーネント事業部 磁性材料・部品開発グループに訪問インタビューを行いました。

 同社は、従業員数884名、連結売上高684億円の電子部品・装置製造メーカーです。主な製造製品は、アルカリ乾電池、マンガン乾電池、ニッケル水素電池などの乾電池や設備、スイッチング電源、DC-DCコンバータ、コイルデバイスなどの電子部品です。

 「パワーコンポーネント事業部 磁性材料・部品開発グループ」の仕事について教えてください

当社は乾電池や電子部品の製作をメインとしていますが、その中で得られた磁性技術を生かして、磁性材料・技術による3次元形状物の研磨技術を開発しています。

 研磨ペーストをマシニングセンターの先端に装着した研磨バイトへ付けて、約0.5mm 程度クリアランスを保ったまま、通常の金型仕上げ加工のように移動させます。そうすると、研磨ペーストは、金型の形に応じてブラシ形状を変えながら表面をなでるようにして磨き上げ、表面を傷つけずに滑らかにすることできるというものです。研究・開発の成果は、磁気研磨ペースト素材や研磨ノウハウの販売、コンサルティングに繋げています。

 5年前にこの開発プロジェクトが発足し、今では、アクリル・アルミ・銅・真ちゅう・ステンレス・鉄等などの素材にも対応しています。ポリカルボナート素材の自動磨きができるのは世界でここだけです。

 

現在ZW3Dをどのように使われていますか?

4軸までを使った素材からの削り出し加工と、本来の業務である形状に沿わせた研磨用の加工パス作成に使用しています。

研磨とは違いますが、お客様より形状データとしてIGESやParasolid の中間フォーマットファイルをいただくこともありますので、それらのデータ加工用に修正する作業でもZW3Dを使用しています。

お見せできないのが残念ですが、先日はあるキャラクターものの金属金型を研磨することになり、受け取ったデータの状態が良くなかったためにZW3Dのヒーリング機能でデータを修正してから、加工パスを作成しました。
日経産業新聞(2010年1月29日)の1面による紹介の様子イメージZW3D導入に至った経緯を教えてください

 それまで使用していたCAMソフトの3軸加工パスに限界を感じていましたので、多軸研磨を検証するツールとして多軸加工パスの出せる3次元CADCAMの選定をスタートしました。

 それまで使用していた3次元CAMとの比較で、

 ①磨きに使用する自由曲面用の加工パスを計算できること、
 ②レンズ系の形状に対して一定角度で工具を当てるために、多軸加工へ対応できること、
 ③データ変換の手間を省くため、CAMがCADと一体化していることと、
 ④部内に3Dレーザースキャナーがあり、測定点群データを扱えること、

がZW3Dを選択した理由です。

導入後の様子などを教えてください

 現在は、研磨する大きさにも拠りますが、1個当たり40分ほどの時間で研磨を終了させ、1日4,5個の実験データを作成しています。

 仕事柄多種多様なデータを受け取るのですが、受け取ったモデルデータにあまり手をかけずに、CAM処理できる点で一体型のメリットを感じています。

 また、研究・開発という仕事ですので、4年目の今でもZW3Dの色々な機能に挑戦させていただいています。分からない事や新機能などは、サポートへ問合せれば丁寧に説明してくれるので、悩んで時間を費やすことなく安心して使用できるのは大変助かります。

研磨の自動化技術は、マスコミでも紹介されているようですね

 2007年の11月には、日経産業新聞で既に紹介されていたのですが、今年の1月に同紙の一面で報じられて以来、問い合わせが増えました。

 この研磨作業の自動化により、コストを3分の1、作業時間を5分の1まで下げることができるということで、社内外で注目を浴びています。来年度は1億円の売上高を目指しています。


 今後はどういった発展を考えておられますか?

 研磨技術を確立していない素材がまだ残っていますので、そちらの研磨の研究開発を進めることと、品質向上のために多軸機能を積極的に使用していきたいと思います。

 新興国の技術レベル向上と共に、金型の仕事の多くが海外に流れ、その優位性が揺らいでいていますが、素材を扱う仕事は依然として日本が優位性を保持しており、今回の技術はその流れを引き継ぐものだと思います。差別化できる日本ならではの技術を確立し、ものづくりに貢献していきたいと考えています。


 ありがとうございます。素晴らしい開発・研究の一助に、ZW3Dを使用していただいていることを大変誇りに思います。

2010年6月取材

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